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男性不妊と精子の関係は?精子の質が妊娠へ影響しているのことも。意外と知られていない精子と卵子の話。

この記事は男性妊活の専門サイトとしてベビーライフ研究所®が監修及び運営管理しております。

【監修】
  • 江夏 徳寿:
    医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
  • 二宮 英樹:
    医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
※詳細プロフィールは記事の最後に記載しております。

自分の身体のことなのに、詳しくは知らないことが多い私たち。妊活で初めて真剣に考える精子は、その代表例かもしれません。そこで、まずは男性と女性、精子と卵子の違いから見てみましょう。c
ご存じの通り、女性の卵子は、男性の精子と出会うことで受精し、妊娠へと進みます。精子のプロポーズを受けた卵子が受け入れる……というロマンチックなイメージですが、精子と卵子は、それぞれの役割もさることながら、成り立ちそのものにも決定的な違いがあります。
男女ともに第二次性徴期、いわゆる思春期を経て大人へと成長することから、漠然と「同じ頃に精子と卵子が身体に備わる」と考えがちですが、実は経緯がまったく異なります。では、何が異なるのでしょう。

 

生まれた瞬間からじっと待つ「卵子」

まず、女性の卵子は、身体の成長とともに作られるものではありません。少し意外かもしれませんが、卵子を作り出す「原始卵胞」は、女性が生まれた時点で卵巣の中に備わっているのです。

卵胞内の原始卵胞は、出生時点で約200万個が出来上がっています。ところが、この数が増えることはなく、年齢を重ねるごとに減少します。思春期の頃には約20~30万個が残っていますが、月経の周期のたびに約1000個ほど減っているとされています。

原始卵胞は、何十年も生き続けるという特殊な性質を持っていますので、逆に言えば女性本人と一緒に「歳を取る」ということになります。年を重ねた原始卵胞は、排卵が行われた際に機能を低下させていることがあり、染色体に異常を来してしまうケースもあるといいます。染色体異常を有する卵子は、受精卵になっても育ちにくくなったり、着床しづらくなったりもします。

卵子の染色体異常は、必ずしも年齢だけが原因とは言えません。ただ、高齢になるほど染色体異常が発生しやすくなることから、「卵子(原始卵胞)の老化」と考えられているわけです。

 

思春期以降に毎日作られる「精子」

一方、この章の本題となる男性の精子は、ほとんど真逆です。精子のもととなる「精原細胞」が精巣内の精細管で作られるようになるのは、思春期(第二次性徴期)以降です。毎日作られ、高齢になっても続くので、女性ほど加齢の影響を受けないとされています。

精原細胞から精母細胞へ、さらに精子細胞へというプロセスを経て最終的に精子が生まれますが、この間には2か月以上もかかるといわれています。完成した精子は、成熟を続けながら精巣から精巣上体へと移動しますが、これにも2週間前後の時間を要します。つまり、精原細胞から受精能力を得た精子が作られるまでには、3か月ほどの時間がかかる計算になります。

女性は、生まれた時に卵子のもとを備えていて、時間とともに減っていく。男性は、第二次性徴期を迎えて初めて造精能力を身につけ、毎日精子を作り続ける。これが、精子と卵子の大きな違いと言えます。

 

精子の「寿命と活力」について

射精時に放出される精液は、大半が精巣や前立腺の分泌液でできていて、精子は2%ほどしか入っていないとされています。それでも、1回の射精につき2〜5億個もの精子が放たれますが、0.1mmに満たない精子は、それぞれに活動量が異なります。

膣内で射精した際、奥深い卵管膨大部まで辿り着ける精子はごくわずかで、数十〜数百程度となることは、よくご存じの通りです。元気のある精子の卵管内の移動速度は、1秒あたり0.1mmほどと言われていますが、卵管膨大部に辿り着くには5〜15分ほどかかります。

射精後の精子は、一般的に「寿命」は2〜3日、長くても1週間ほどとされています。そうなると、妊活では射精直後の精子を排卵直後の卵子と出会わせるのがよいように感じますが、実はこの段階での精子には受精能力が足りません。

精子は、膣から子宮腔へと前進する中でも受精能力を鍛えていきます。射精から5〜6時間後から受精のための運動ができるようになり、その後30〜40時間は受精能力を持続すると言われています。

 

卵子から見た精子を送るタイミング

腟内に入った精子は、子宮頚管から子宮腔へ、卵管へと移動しながら、卵子が待つ卵管膨大部へと進みます。一方の卵子は、卵巣から排卵されると、卵管采を通じて卵管の中へと取り込まれます。卵子は、ここで精子の到着を待っているわけですが、問題はそれぞれの「寿命の差」です。

卵子の寿命は排卵から24時間前後と言われてはいるものの、その間ずっと受精能力を保つわけではないようです。かつては「排卵から1日」とされていましたが、研究が進んだ現在では、もっと短く排卵後6〜8時間ほどと考えられています。

こうして比べてみると、「精子は、卵子よりも寿命・受精能力ともに長持ちする」ということが見えてきます。タイミングをぴったりと合わせようとすると難しく感じますが、妊活のひとつの目安として、「排卵の少し前の性交で、事前に精子を送っておく」という考え方が成り立つわけです。

 

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【この記事の監修】
  • 江夏 徳寿(えなつ のりとし)


    医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
    大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
    男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
    大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
    神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
    男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。
  • 二宮 英樹(にのみや ひでき)


    医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
    東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
    地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

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