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妊活中男性の禁欲は短い方が効果的というデータあり。精子の数より精子の質?

この記事は男性妊活の専門サイトとしてベビーライフ研究所®が監修及び運営管理しております。

【監修】
  • 江夏 徳寿:
    医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
  • 二宮 英樹:
    医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
※詳細プロフィールは記事の最後に記載しております。

一昔前まで不妊治療といえば、女性に対するものが一般的でした。男性に不妊の原因があるとは考えられなかったからです。しかし、いまでは男性の精子に問題がある場合もあることがわかっています。
現在では不妊症とされた夫婦の約5割が、男性側にも原因があるケースと言われています。いまや、不妊治療は女性だけのものではなく、男性も妊活が必要な時代になっているのです。

 

精子の数より、精子の質が問題って本当?

男性の精子を弱らせる原因としては、タバコやお酒の飲み過ぎ、長風呂やサウナ、不規則な生活、育毛剤や筋肉増強剤の使用、過度のストレス、膝の上でのノートパソコンの操作、ブリーフパンツやボクサーパンツの着用、ロードバイクでの走行、長期の禁欲などがあります。

これらの原因のうち、誤解されることが多いのが「長期の禁欲」です。以前は、「長く禁欲している方が、精子の数が増えるから妊娠しやすいのではないか」と思われていました。確かに、禁欲期間が長ければ、精子の数は増えます。しかし、近年の研究により、妊娠に大切なのは精子の数だけではなく、精子の質も大切だということが分かっています。

精子は精巣で作られますが、射精後3日ほどで精子の数が満タン状態になります。増えてしまった古い精子はどうなるかというと、分解されて体内に吸収されたり、尿といっしょに排出されたりします。
それでも、すべての精子がなくなるわけではありません。古い精子が残っている状態で、新しい精子が作られることになります。そうすると、まったくの空っぽの状態で精子が作られる場合に比べて、生産速度はかなり遅くなります。当然のことながら、新しい精子より古い精子のほうが増えてしまいます。

 

精子が古くなると、どうなるのでしょうか?

古い精子は運動能力も低く、精子の遺伝子への損傷率も高くなってしまいます。精子の運動能力が低ければ、卵子に到達するのがむずかしくなります。また、精子の遺伝子が損傷していたら、受精後に受精卵が十分に発育せず、妊娠に至らない確率も高くなります。あるいは、胎児が出産まで成長したとしても、先天的な障害を持ってしまう可能性もあります。
このように、長期にわたる禁欲は妊娠を成功させるどころか、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

 

禁欲期間は短ければ短いほど妊活に効果的?

最近の研究では、禁欲期間は短いほど妊娠しやすく、10日以上禁欲すると妊娠率が非常に低くなるというデータがあります。
そのデータは自然妊娠ではなく、人工授精によるものですが、禁欲期間3日以下だと妊娠率14%、禁欲期間4〜10日で妊娠率10%、禁欲期間10日以上で妊娠率3%という結果となっています。これらの数字から禁欲期間が短いほど、妊娠率が高くなることがわかります。
ちなみに、禁欲期間が1日なら、どうなるかというと、妊娠率が19%と高い数字になります。一方、禁欲期間が14日以上になると、妊娠率は0%になってしまいます。
では、自然妊娠の場合はどうなのでしょうか?

スペインの研究グループによる試験で、精液所見が正常な男性21名(25〜35歳)に96時間(4日間)の禁欲の後、そして、その後、24時間ごとに射精した96時間後のDNA損傷率を比較したデータがあります。それによると、96時間の禁欲後の平均の精子DNA損傷率が22.2%であったのに対して、その後、24時間ごとに射精した96時間後のDNA損傷率は17.0%と5.2%も低くなっていました。

また、セックスの回数と妊娠の確率を調べたアメリカの研究によると、毎日セックスした場合、1周期あたりの妊娠率は37%だったのに対して、1日おきでは33%、週に1回だけだと15%という数字になっています。
ある意味当たり前の結果ですが、セックスの回数が多ければ多いほど、妊娠の確率は高くなるというわけです。

それでも「セックスの回数が増えると、精子の数が減ったり、運動率が悪くなるんじゃないの?」と心配する方もいるでしょう。
しかし、約1万人の男性を対象にした調査で、毎日射精しても精子の数は減ることがなく、運動率も変化しないことがわかっています。しかも、精子の数が少ない乏精子症の男性の場合でも、毎日射精することで精子の数が増え、運動率がアップすることがわかったのです。

以上のことから、必ずしも長期間禁欲することによって、妊娠の確率が高まるとは言えないことが分かります。むしろ長期間の禁欲は、精液に放出される精子が古くなり、妊娠しにくくなる可能性もありますので、お気をつけください。

【この記事の監修】
  • 江夏 徳寿(えなつ のりとし)


    医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
    大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
    男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
    大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
    神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
    男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。
  • 二宮 英樹(にのみや ひでき)


    医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
    東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
    地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

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