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男性妊活に効果があるサプリは?精子の質や運動率改善に期待

コラムイメージ写真

男性の妊活をサポートするためのサプリメントが注目を集めています。男性妊活サプリメントは、精子の質や運動率を向上させる効果が期待されています。豊富な栄養素や特定の成分が配合されており、長期的な摂取によって男性の生殖機能をサポートすることが期待されます。

この記事では、精子形成にとって必要な栄養素やその中からどのような成分をサプリメント摂取するとよいか、また男性妊活では栄養素以外にも正しい生活習慣が大切なことなどをまとめていきます。

男性妊活にサプリメントは効果あるの?

男性妊活においても、サプリメントを摂取することで食事からだけでは足りない栄養素を効率よく補完でき、妊活にプラスの影響を与えることができると考えられています。

現代の日本成人男性は1日の野菜の摂取量が推奨量に満たないことや、果物の摂取量も特に20〜40代では少ないことが国民健康・栄養調査で分かっています。野菜や果物には多くの栄養素が含まれており、推奨摂取量に満たないということは食事から十分な栄養素が摂取できていないということです。

妊活では女性だけでなく男性も体や精子を作る上で、適切な栄養補給が必要です。精子が作られるまでも一定期間が必要で、数日頑張って野菜や果物を食べただけでは不十分なのです。そのためまずは3ヶ月以上の長期に渡って十分な栄養摂取を続けることが大切です。なかなか食事だけで毎日続けることが難しい現代の男性にとって、男性妊活サプリメントは心強い味方となることでしょう。

ここから先は精子にとって大事な栄養素や、サプリメントで摂取していく方法について解説していきます。

精子の運動量や質を上げるために必要となる栄養素

まずは質が高く、運動量が多い元気な精子を作るために必要な栄養素について見ていきましょう。

亜鉛

男性妊活と言えば、まず最初に名が挙がってくるのが亜鉛です。滋養強壮や健康な精子の生成など、男性の妊活には必須です。

男性の勃起障がいで亜鉛のサプリメントを摂取している場合、個人差はあるようですが、早い人になると翌朝には「朝だち」していた、という人も中にはいるようです。これは稀なケースかもしれませんが、長い間、朝だちをしていなかったような人のほうが、意外に効果を感じやすいところがあるようです。

また、男性の精子の数を増やすのに、亜鉛のサプリメントを摂取している人がいると思いますが、即効性はないと考えておいたほうがいいでしょう。これはサプリに効果がないのではなく、精子自体がつくられてから射精まで70日間ほどかかると言われているからです。まさに、“ローマは一日でならず”!僅か一日や二日でいきなり精子の量が増えることはないと心しておいてください。薬ほどの即効性はありませんが、その分体への負担も少ないのがサプリメントのいいところです。焦らずゆっくりした気持ちで効果が出るのを待つほうがストレスにもなりません。

亜鉛はサプリメントの中でも吸収率が低いという特徴があります。朝食後や昼食後の30分から1時間くらいの、吸収率の良い時間帯に摂ることをお勧めします。起床直後や空腹時は、胃に負担がかかるため、できるだけ避けましょう。

また、亜鉛はビタミンCとクエン酸と一緒に摂ると吸収率が向上します。サプリだけでなく、食事の際もビタミンCとクエン酸を含む食べ物を意識するようにしましょう。精液に高濃度で含まれる「亜鉛」は、男性の妊活にもっとも有効と言われているほどの成分。具体的には、精子量の増加や運動率の向上、精子の質の向上など、男性の「妊娠力」を上げる有効な成分の一つとなっています。

実際、ある研究でも、亜鉛の摂取量が不足しているケースでは、精子の数が減少しやすい傾向にあるというデータもあります。亜鉛が不足すると、性欲減退にも影響があると言われており、妊活中の男性にとっては欠かせないものと言えます。若い方ばかりか、高齢で精子の運動率や精力の減退を感じる男性にもぜひお試しいただきたいものです。

そのほか、精子の活動を活発にする働きや、老化予防効果のある「レスベラトロール」というのもあります。これは「長生きポリフェノール」と言われ、赤ブドウの果皮や種子に多く含まれています。同じく精子の運動率や質の向上、染色体異常の軽減などに効果のあるという研究報告もある「葉酸」などもお勧めです。葉酸の摂取量が十分ではないと、精子の染色体の異常が高いそうです。

マカ

亜鉛と共に、男性妊活の代名詞とも言えるのが「マカ」。マカの一日の摂取量の目安としては、1,000mgから3,000mgといわれています。ただ、ほかのサプリメントと併せて摂取している場合には、他の成分との兼ね合いや相性などもあります。ですので、不妊治療を専門とする医師や薬局の薬剤師などに相談しながら、記載の摂取量を守っていくのが好ましいでしょう。ペルー原産のアブラナ科の多年生植物、「マカ」は、豊富な栄養素から成り、男性の生殖機能を大幅に改善する働きをもつ成分となっています。特に正常なホルモン代謝や精子形成の維持、精子の形や質の向上などに効果があると言われています。

マカは少量からはじめは摂取し、体調を見ながら自分に適した量を見定めていくようにしましょう。

サプリメントの摂り方に特に決まりはありませんが、空腹時の摂取は胃もたれの原因にもなりかねませんので、食後の摂取をおすすめします。粉末の場合は、食事と一緒の摂取がいいでしょう。

コエンザイムQ10(還元型)

男性不妊の原因として多いのが精子に問題があるというケースです。その中でも精子の運動率が低下してしまうことを精子無力症と呼んでいます。全体の70~80%程度の精子が運動しているのが正常な状態なのに対して精子無力症の場合は運動している精子が全体の50%以下と低い水準になっています。これでは女性の膣内に放出された精子が卵子までたどり着くことが難しくなり、不妊へつながると考えられています。

精子無力症を含む原因の特定が難しい造精機能障害の場合は対策が難しく、治療についてもやはり難しいのが現状です。そこで注目が集まるようになったのがコエンザイムQ10。イタリアのPolytechnic University of Marcheで行われた研究によると、1日200mgのコエンザイムQ10を6ヶ月間男性不妊で悩む患者に摂取してもらったところ、精子細胞内部や血中のコエンザイムQ10濃度が高まり、精子の運動率が改善されたとの研究結果が得られています。

これ以外にもコエンザイムQ10を3ヶ月~6ヶ月間継続して摂取したところ、精子・精液の改善を確認できたとする研究報告が多数あることから、男性不妊サプリにコエンザイムQ10が配合されるようになったのです。

アルギニン

不妊や精力の問題でお悩みの方には、「アルギニン」もお勧めです。
効果としては、精力増強や勃起不全の緩和、体力や血流量の増加が期待できます。アルギニンはアミノ酸の一種。体内でも合成されますが、年齢を重ねると生成量が減るため、サプリメントで補うのもいいでしょう。最近では、エナジードリンクなどの栄養ドリンクにも活力成分として含まれています。アルギニンの摂取により症状に改善が見られ、妊娠につながったというケースさえあるほどです。

シトルリン

「シトルリン」は血流をスムーズにすることで男性機能をアップさせる作用があると言われています。
シトルリンサプリメントを摂取した場合の効果としては、男性では精子の発育促進を挙げることができます。妊娠には、運動率のいい、元気な精子が作られることは必要不可欠な条件です。精子は一度の射精で、数億個が放出され、そのうちの99パーセントが女性の膣内で死滅します。卵管膨大部までたどり着くのも並大抵のことではなく、それだけ元気な精子が必要というわけです。

最近では、シトルリン入りの青汁というのが人気です。錠剤タイプが苦手な方には、こうした飲み物で摂取するほうが習慣化し易く、飲み忘れもし辛くなるかもしれません。

セレン

セレンは、カツオ節やイワシ、ホタテ、アジ、イワシ、サンマなどに含まれていますが、セレンが不足すると精子の数が減少したり、運動率が低下したりします。精子を作るときには500億分の1mg程度のセレンが必要とされ、男性の妊活には不可欠な栄養素といえます。

このように、男性の妊活には食事と適度な運動も大切です。とはいえ、あまり神経質になりすぎてもストレスがたまって逆効果になります。要は、バランスの取れた食事を心がければいいのです。しかしこれらの栄養素を全て効率よく摂取しようとすると少し無理が出てきます。また、食品で摂取することが難しい栄養素もあります。バランスの取れた食事のほか、補助食品としてサプリメントの利用も検討してみましょう。

サプリメントがおすすめ!精子の質と運動率アップにコエンザイムQ10と亜鉛

精子に必要な栄養素の中で特に男性妊活で重要になる栄養素が「コエンザイムQ10」と「亜鉛」です。そしてこれらの栄養素はサプリメントから摂取することをおすすめします。

コエンザイムQ10摂取はサプリメントがおすすめ

高い抗酸化作用が美容だけでなく精子・精液の改善にも効果が期待できるとされるコエンザイムQ10をご紹介しましたが、この男性不妊の改善に期待される「コエンザイムQ10」。食品にも含まれているのであれば、積極的に摂取したいところですが、残念ながら、食品からのみで必要とする摂取量を満たすには少々無理がありそうです。

ハーバード大学が行った男性不妊患者と食事からのコエンザイムQ10の摂取量と精子の質の関係についての研究によると、食事から摂取したコエンザイムQ10 の1日あたりの平均摂取量は20mg程度でした。精液所見の改善を確認できた際のコエンザイムQ10の1日あたり摂取量は200~300mg。この条件と比較すると10分の1程度にしかならず、コエンザイムQ10を食事から摂取しただけで精液所見に影響を与えるには少なすぎる、ということがわかります。

食事だけで200mg~300mgのコエンザイムQ10を摂取しようとするとカロリー過多の偏った食生活になってしまい、健康へのデメリットの方が大きくなります。

そのため、食生活はバランスの良い健康的なものを維持しながら、必要なコエンザイムQ10はサプリメントという形でしっかり摂取する、という方法が推奨されているのです。

亜鉛摂取もサプリメントを上手に活用しよう

また、亜鉛についても同様です。亜鉛を含んでいる食材はいろいろありますので、食事で亜鉛を摂取できるのでは?と考えられそうですが、成人男性が1日に摂取すると良いとされている亜鉛の量10~12mgを、食事だけで摂取するのはかなり難しいようです。

牡蠣に亜鉛がたくさん含まれているといっても、毎日牡蠣を食べるような食生活は現実的ではありません。牡蠣以外にも魚介類や牛肉などにも含まれていますが、亜鉛を含む食品だけをとる食生活を継続することはできません。
また、亜鉛は吸収が良くないことでも知られています。インスタント食品や加工食品に含まれる食品添加物を摂ると亜鉛の吸収が悪くなります。しかも、ストレスの蓄積や飲酒等によっても亜鉛の消費量が増えることがわかっており、忙しい現代人にとって亜鉛は日常的に不足しがちな栄養素となっているのです。
そのため、食事でなるべく亜鉛を摂れるように配慮しつつ、サプリメントを使って上手に足りない分を補う、という形が現実的かつ理想的な亜鉛の摂取方法となります。

どのくらい続けるべき?まずは3ヶ月程度を目標に

サプリメントは薬ではなく、日々の食事で不足する栄養素を補うためのものです。そのため、様々な要因や原因の考えられる男性不妊の場合、その効果が出てくるまで、最低でも三カ月は必要と考えた方がいいでしょう。
そして目安となるこの「三カ月」ですが、これは新しい精子が作られ、成長し、一人前になるまでの期間を指して言っています。つまり、サプリメントの効果が表れ始めるのは、四カ月目くらいからです。しかし、精子の質というのは、目で確かめられるものではありません。

ではどうやってその効果を確認したらいいのか?それは、“サプリの服用を始めてから体調が良くなった”、または“やる気が出て調子がいい”など、そういった今までと比較し良くなったかどうか等をその判断基準にしてみるといいでしょう。

それでもどうにも漠然としていて、なんだか自分の感覚だけでは頼りない、ということであれば、病院(泌尿器科、不妊治療専門病院、産婦人科など)で保険適応の精液検査が行えます。精子の質や量を確認できるものなので原因を明確にすることができます。

他に精子の質や量を向上させるサプリメントは?

亜鉛が精子の質・量を向上させ、性欲や勃起力等にも良い影響を与える効果が期待できるということは良く耳にするところですが、精子の量や質を向上させるには亜鉛だけではなく、栄養バランスの良い食生活を送ることが大切です。

その上で、精子にとって良くない活性酸素を除去する働きをしてくれるビタミンEやコエンザイムQ10等の栄養素の他、ビタミンCやその他の成分も一緒に摂れるような男性不妊、妊活に特化したサプリメントを選ぶことがより効果的なセルフケアへと繋がります。サプリメントを購入する際には成分をしっかり確認した上で、信頼できる品質のものを選びましょう。

また、今回ご紹介したサプリメントは、それぞれ精子の質や量の向上のために複数の製品を同時に何カ月も続けて飲もうとなると、コストもそれなりにかかります。金額面から考えると、妊活中の男性が選ぶサプリメントは、複数の成分が一つか二つ程度のもので同時にカバーできるものが良いかもしれません。

不妊治療を専門とする医師の話を参考にした成分の組み合わせとしては、一例ですが「マカ」と「葉酸」のコンビがあります。精子量の増加や運動率の向上を目的としている男性にはおすすめとのことです。ほかにも妊娠力をアップする効果的な組み合わせは何通りもあります。あなたにとっての「オンリーワン」をじっくり吟味してお選びいただければと思います。そして、薬ではありませんので、効果を感じられるようになるには一定程度の時間がかかることを念頭においてお試しください。

サプリだけでなくまずは生活習慣を見直そう

男性不妊の原因として無精子症、乏精子症、精子無力症等の精子に問題がある場合が挙げられていますが、これらの症状の具体的な原因を特定するのは難しいのが現状です。原因と考えられているものを紹介しますので、心当たりがあれば改善してみましょう。

食生活

男性不妊を改善するために家庭では食事に気を使っていても、ランチや外食等は無頓着、ということが良くあります。
外食の揚げ物や油っこいメニュー等は精子に酸化ストレスを与えてしまうことが考えられます。また、コンビニ弁当やインスタントラーメン等に含まれている食品添加物が、精液や精子の質・量に悪影響を及ぼす可能性があると言われていますので、ランチや外食を含めた食生活を意識するようにしてみて下さい。

精神的ストレス

現代社会においてストレスは常につきまとう問題です。特に職場におけるストレスは、男女問わず多くの人が感じていることではないでしょうか。男性の場合、精神的なストレスを受けると精子の量が少なくなったり、運動率が落ちたりする可能性がある他、性欲の減退などが起こると言われています。
これは精神的なストレスを受けたことによって、精巣で作られる男性ホルモン・テストステロンの分泌量が減少することによって起こると考えられています。
テストステロンは生殖機能に直接的に関与するホルモンで、テストステロンの分泌量が減少すると精液・精子の質・量にも影響が出る他、性欲、勃起力にも良くない影響が出ることになってしまいます。

その他、テストステロンは生殖機能だけではなく、筋肉の増加、内臓脂肪の抑制、動脈硬化の抑制など肉体の男性らしさや、やる気、決断力、判断力といった精神的な男らしさにも影響を与えます。男性らしさを司るホルモンのため、テストステロンが減少すると肉体的、精神的にも悪影響が出てしまいます。

タバコ

タバコは百害あって一利なしと言われ、健康に良くないことは知られていますが、もちろん精液・精子にとっても同様に良いことはありません。タバコを吸っている人は吸っていない人と比較して精子の数が10~17%程度少なく、精子の運動率も低下すると言われています。
妊活だけではなく、赤ちゃんを授かってからもタバコは副流煙の問題等があり、赤ちゃんにとっても奥様にとっても好ましい習慣ではありません。

熱いお風呂・サウナ

精子は精巣(睾丸)で作られますが、なぜ陰嚢は精巣を袋状に収めた状態で体外にぶら下がるのでしょうか?それは精子が熱に弱いからです。精子にとって最適とされる環境は体温よりも若干低い、32~34℃位の温度だと言われています。つまり、精巣が体外にあるのは冷却が目的なのです。
男性不妊の方は精巣に熱を与える生活習慣がないかどうか、考えてみてください。例えば、熱いお風呂、サウナが好き、等の習慣は直接精巣に熱を与えてしまうため、精巣が正常な精子を作る働きを妨げる可能性があります。
熱いお風呂ではなくぬるめのお湯でゆっくり入浴をする等、意識して習慣を変えることも必要です。ただし、長すぎる入浴は体温上昇になるので、注意が必要です。

男性不妊かも?気になる方は精液検査をおすすめ

かつては不妊というと女性側に問題があるという風潮がありましたが、不妊の原因の約半分、50%は男性側にあると言われています。男性不妊の原因と考えられているのは主に下記の3つですが、90%は精子に問題がある造精機能障害です。

・精子に問題がある…造精機能障害
・精子が排出できない…精路通過障害
・ED、膣内で射精できない…性機能障害

精子の問題としては精子の数が少ない、精子が作られない、精子の運動率等が良くない、ということが考えられ、いずれの場合も不妊に繋がります。
射精とともに放出される精子は精液1mlあたり約1億個以上ですが、最終的に卵子にたどり着くのはたった1つだけという、いわば過酷な競争を勝ち残るだけの力が精子には必要とされます。
しかしそもそも精子の数が少なかったり、精子の運動能力が劣っていたりすると卵子までたどり着けないということになってしまい、これが男性不妊となるわけです。

男性不妊の代表的な症状や原因

男性が不妊とされた場合、その原因の多くは精子に関する問題で、中でも元気な精子をつくりだすことができない「造精機能障害」が大きな原因とされています。
男性不妊の主な種類を簡単にまとめますと以下のとおりとなります。

乏精子症(ぼうせいししょう)

精液の中に精子の数が明らかに少ない状態のこと。自然妊娠には精子の数は4,000万以上、運動率50%以上であることが望ましいとされています。精子の量が少ないため妊娠しにくい傾向にありますが、タイミング法(排卵の時期に行うこと)などで、妊娠しやすい日を狙うと、妊娠の可能性が高まります。また、精子の数は悪くなくとも、運動率がやや低めの場合は妊娠できない場合もあります。

無精子症(むせいししょう)

無精子症とは、男性の精液中に精子が無い状態のことです。しかし精液中に精子がいなくとも、精巣内に精子がいるのなら、不妊治療にて顕微鏡受精などが可能となるため、先ずは検査をすることが重要です。無精子症には、閉塞性と非閉塞性の二通りがあります。

閉塞性無精子症(へいそくせいむせいししょう)

無精子症の一つが、閉塞性無精子症です。精子はつくられているが、「精管(精巣から精子が体外へ出ていける経路)」の一部がつまっているなどの原因により、精子が運ばれずに起こる症状のことです。医療機関での治療により自然妊娠が可能となります。

非閉塞性無精子症(ひへいそくせいむせいししょう)

無精子症のもう一つが、非閉塞性無精子症。精巣から精子が体外へ出ていける経路があるにも関わらず、精液中に充分な数の精子が出てこない状態のことです。医療機関での治療により自然妊娠が可能となります。

精子無力症(せいしむりょくしょう)

正常な精子の数があっても、元気に動いている精子が少ない状態のことを言います。精液検査で「動いている精子が50%未満」、もしくは「活発な前進運動をしている精子が25%未満」であると、精子無力症と診断されます。妊活できない時には、元気な精子を使って、人工授精や顕微鏡受精を行うことが考えられます。

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

睾丸(精巣)に、血液が逆流して精巣の静脈血管が瘤(こぶ)状に腫れているものを、精索静脈瘤といいます。血液がスムーズに流れることができなくなることで、睾丸の温度が上昇。その結果、精子をつくる機能に悪影響を与えてしまいます。自覚症状はありませんが、まれに陰嚢の違和感を自覚することがあります。男性不妊患者の40%以上に認められているものの、あまり知られていません。程度に合わせて薬物療法から外科的手術などの方法があり、治療により改善し、自然妊娠する可能性があります。

勃起不全(ED)(ぼっきふぜん)

勃起不全とは、性交時に有効な勃起が起こらずに性交が行えない状態、または勃起が一定時間維持できない状態のこと。現在私たち日本のED患者は1,100万人以上と言われており、ストレスなどの心因性も原因となります。性交渉する時はリラックス状態が望ましいですが、それでも性交に至ることができない方は、ED治療薬などを処方されることもあります。

男女の不妊の原因の割合は、ほぼ同じということが分かってきました。妊娠を望むのならば、一方的に自分は関係ないと思わずに、先ずは精液検査を受けることが大切です。精液、その中の精子の状態をみることで、不妊につながる可能性があるかどうか判断できるからです。原因が分かれば、食生活や睡眠、運動など、生活習慣の見直しで改善できるのか、内科的治療、外科的治療、そして人工授精・体外受精などが必要なのか、治療方法の選択が明確になります。不妊治療は、男性も一緒に取組む時代なのです。

【この記事の監修】

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

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