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男性は女性の月のサイクルについてどこまでわかっている?奥様の心理や体調の変化に気づける旦那様を目指しましょう。

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【監修】

江夏 徳寿:
医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。

二宮 英樹:
医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。

阿部 裕紀:
薬剤師。東京都出身。星薬科大学薬学部卒業。専攻は薬物治療学。

※詳細プロフィールは記事の最後に記載しております。

「女心と秋の空」ということわざがあります。これは「女性の気持ちは、変わりやすい秋の空と同じように気まぐれだ」という意味になります。女性特有の性質のようにいわれることもありますが、生理という女性の身体の変化がイライラや感情の起伏の激しさをもたらしているともいえるのです。
夫婦で妊活を行う場合には、妻の身体をいたわることも大切です。そのためには、まず、女性の生理のしくみを知ることが第一歩となります。

男性も知っておきたい、女性の生理

そもそも女性の生理は、卵子が精子を受け入れる準備をし、受精されなかったときに起こる肉体的な現象のことをいい、生理は25〜38日の周期で繰り返されます。
といっても、個人差が大きく、24日以内と周期が短かったり、反対に39日以上あく場合もあります。また、生理の期間は、順調な女性の場合は3〜7日間ですが、1〜2日で終わったり、8日以上続く場合もあります。

生理はどのようなしくみで起こる?

まず、子宮の内側には、細胞や毛細血管、分泌液を出す分泌線などを含む組織があり、これを子宮内膜といいます。
卵巣から分泌されるホルモン、エストロゲンの働きにより、この子宮内膜がだんだんと厚くなり、生理前には1cmほどになります。子宮内膜が厚くなるのは、受精卵の受け入れ態勢を整えるためです。
いわば、受精卵のためのベッドのようなものといえます。

一方、卵胞刺激ホルモンの働きで、卵巣にある卵胞が発育を始め、卵胞刺激ホルモンの分泌がピークに達すると、黄体化ホルモンが分泌されて卵胞から卵子が飛び出します。これを排卵といい、卵巣から卵管に排出されますが、ここで精子と出会うと受精卵になり、子宮に向かいます。そして、ふかふかのベッドで受精卵が育っていくのです。

しかし、卵子と精子が出会うことがなく、受精卵が子宮内膜に着床しなかった場合には、子宮内膜も新しく作り直されます。このとき、いらなくなった子宮内膜がはがれ落ち、血液といっしょに排泄されます。これが生理といわれるものです。

生理不順はなぜ起きるの?

こうして定期的に生理が訪れるわけですが、精神的なストレスや不規則な生活、無理なダイエット、肥満、偏った食生活、睡眠不足や運動不足などがあると、女性ホルモンが正常に分泌されず、生理不順が起きることがあります。

そうなったら、妊活もうまくいきません。生理が遅れるようなことがあれば、その原因を解消することが先決です。あるいは、女性の悩みを聞いたり、身体の凝りをほぐしてあげるのもストレス解消になり、リラックスできます。
夫婦で解決できることであれば、いっしょに取り組みましょう。

月経前症候群と月経前不快気分障害とは

女性は生理になると、イライラして不機嫌になる等、感情の起伏が激しくなったり、まだ頭痛や腹痛を起こす等、体調が変化することがあります。こうした症状を月経前症候群(PMS)といい、通常、生理の2週間〜1週間前から起こり、生理が始まると消失していきます。

PMSの症状は人によりさまざまで、乳房が張ってきたり、下腹部に痛みがあったり、頭痛や嘔吐があるなどの身体的な症状のほか、怒りっぽくなったり、理由もなく悲しくなるといった精神的な症状がみられることもあります。

このPMSの症状を呈する女性のうち、一部には日常生活に支障が出るほど、精神的な症状が重くなる人がいます。そういう症状を月経前不快気分障害(PMDD)といい、PMSの兆候を示す女性のうち、5~8%に見られるといわれます。

PMSもPMDDも、排卵から生理開始の数日前にかけて症状が現れ、生理開始後2〜3日のうちには自然と消えていきます。原因はよくわかっておらず、ホルモンや神経伝達物質が関わっているのではないかといわれています。
治療法としては、薬物による治療と、生活のなかで気をつける治療の2つがありますが、妊活をしている場合には、薬の服用はおすすめできません。

女性の月のサイクルを知り、いたわることも大切

生活のなかで気をつけることとしては、ヨガのような呼吸法や精神安定を図るような運動を行う、他にも症状を悪化させやすいカフェインの摂取を控え、ハーブなどを活用する、リフレクソロジーなどでストレスを解消することなどが挙げられます。
妊活をしているときは、男性だけでなく、女性も神経質になりがちです。
しかも、症状が重くなることがあります。イライラしてしまい不機嫌だったり、ちょっとしたことで怒りを爆発させたりしても、PMSやPMDDの症状なのだと理解して優しく接するように心がけましょう。

女性ホルモンのバランスの変化によりこのような状態になってしまう。そんな女性特有のつらさを男性が理解することも大切です。これも、妊活の1つといえるからです。

【この記事の監修】

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

二宮 英樹(にのみや ひでき)

医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

阿部 裕紀(あべ ひろき)

薬剤師。東京都出身。星薬科大学薬学部卒業。専攻は薬物治療学。
現在、化粧品会社に製造責任者という立場で品質管理などに携わる傍ら、薬に頼らないセルフケア(予防)を追求し、啓蒙活動を行う。ドラッグストアでの勤務経験を活かし、ライフスタイルに合わせた健康食品やサプリメントのアドバイスなども行う。 個人的には、薬はあまり好きではなく、自然なもの(食品に近いもの)で身体の不調を治すことを常に考え、アドバイスを行っている。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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